カーマ・スートラ妻女篇

  • 2024-4-22
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カーマ・スートラの妻女篇には、貞淑な妻の態度、夫の旅行中における妻の行状、多くの妻があるときにおける最年長の妻の態度、最年少の妻の態度、再婚した寡婦の態度、夫に愛されない妻の態度、後宮における生活、多くの妻に対する男子の務め、について記述されています。

自分以外に妻がいない場合の妻は、夫を深く信頼し、夫を神の如くに敬い、夫の欲望に対して快く振る舞うべきとされています。貞淑な妻の務めとして、家庭を切り盛りし、家を清潔に整え、夫の近親者には愛想良くし、食事に関しては、夫の好むもの、嫌うもの、健康に良いもの、良くないものを知るべきである、と説いています。

寝床に入るのは夫より後に、起床するのは夫より先にすべきであり、起床の際に夫がまだ眠っているときは、起こさないようにしなければならない。汗、歯屎(はくそ)及び悪臭は、夫が嫌うので、相当の措置をすること。多くの装飾品、種々の花や快い香り、色彩美しく飾りのついた衣服などは、夫の愛情を掻き立てる装いであるから、性交のために夫と会うに当たり、準備しなければならない、と説いています。

夫が旅行に出かけたときには、妻は必要最小限の装飾をし、神を念じて熱心に断食をし、留守中は寝床を姑の側に移して眠ること、と説いています。

第一の妻が不治の病になったり、子が生まれなかったり、夫婦間の愛情がなくなったり、夫が多情で複数の妻を所有する快楽を求める場合には、第二の妻を娶ってもよいとされています。妻は、愛情や如才なさを示して、そういう事態にならないように努めるべきとされていますが、子が授からないときは、妻は自ら夫に、第二の妻を娶るように勧めなければならない、と説いています。

新しい妻が嫁いできたときは、第一の妻は、彼女を妹の如くに思い、夫に自分の心遣いがわかるように、彼女の寝化粧を熱心に面倒を見てやるべき。夫が新しい妻のみを寵愛するに至っても、嫉妬心を起こさず、また彼女が夫の寵愛を笠に着て不遜の態度があっても、それを気にしてはならない、と説いています。

多くの妻のあるときにおける最年長の妻は、年若き妻に対して、性交の種々の方法、その他の情事を教えなければならない、と説いています。

夫が多妻中の一人を特に寵愛しているときは、かつて夫の寵愛を受けた女を励まして、二人の間を不和にして争わせ、しかも後になって同情を表す風をして慰めるなど、両者の軋轢を甚だしくするようにすべきである。そして、かつて夫に寵愛されていた女と結託して、自分は争いに立ち入ることなしに、最も寵愛されている女をけなすべきである。もし、その女が夫と仲違いをしたときには、彼女の味方をすると励まして、彼女を慰め、しかし内密に、その喧嘩が大きくなるように仕向けるべきである。また、喧嘩が軽いものであるときは、自らそれを煽るべきである。しかし、夫がなおも彼女に親しんでいるとわかったときは、二人が仲直りをするように自ら努めるべきである、と説いています。

最年少の妻は、最年長の妻を自分の母の如くに思い、彼女の許しを得て、夫と性交をすべきである。夫に対しては、閨房の中で特に機嫌をとるべきである。他の妻たちの嫉妬のために生じた自分の悩みを夫に語ってはならない。夫が特に自分を密かに可愛がってくれるように努め、「貴方がこうして可愛がってくださるので、それを頼りに私は生きていけます」と言うべきである。しかし、夫の特別な愛情を誇らしげにしゃべったり、怒って口に出したり、夫との秘密を語ってはならない、と説いています。

寡婦であって、性欲を抑えることができない場合には、裕福な生活をし、優れた能力を有する男と再婚することもできるとされています。自らの意思で夫の家を出た女も、他の男を求めるべきである。寡婦は、自分が気に入った新しい夫を見出し、性の享楽が併せ享受できるとき、それが幸福のすべてである、と説いています。

夫に愛されず、しかも他の妻に悩まされている女は、妻の中で最も夫に寵愛されている女と親しくして、自分の知る限りの愛の技巧を惜しまずに彼女に教えるべきである。そして、夫の子供たちに対しては、乳母の役目を果たすべきである、と説いています。

閨房においては、夫の性癖に従って、自ら進んで夫の情愛に応えなければならない。夫が妻の誰かと喧嘩をしたときは、その女と夫との間を取り持ってやるべきである。夫が密かに愛する女がいるときには、夫とその女とを会わせてやり、しかもそれを他に漏らしてはならない、と説いています。

後宮における生活に関しては、女官が夜伽の順番や誰が終わったのか、誰が月経中であるのかを王に奉告し、王が当日の夜伽をすべき妻を選ぶ、という記述があります。

多くの妻を持つ男の務めに関しては、えこひいきをしてはならず、同じ扱いをすること。男は、妻のいずれに対しても、他の妻との情事はもちろん、身体上の秘密などについても話してはならない。男は、密かに慈しんだり、公に賞賛したり、贈り物を届けたり、花園や施設に連れて行ったり、閨房の秘技によって妻を悦ばせたり、その他いろんな方法で多数の妻を喜ばせることをすべきである、と説いています。

一方、妻に関しては、怒る心を抑えて、聖典の掟に従う者は、夫を自分の欲望に従わせることができ、多くの妻の中で高き地位を得られるであろう、と記述しています。

次回は、人妻の誘惑について推奨している、人妻篇について、書いてみたいと思います。

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セラピスト兼カウンセラーのstar です。

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