オキシトシンは、別名、愛情ホルモン、幸せホルモンとも言われ、脳内の視床下部の室傍核と視索上核の神経分泌細胞で合成され、下垂体後葉から分泌されるホルモンです。人間関係を円滑にし、パートナーともラブラブになれる魔法のホルモンです。
オキシトシンが分泌されると、脳は安らぎを感じます。不安な気持ちを押さえて情緒を安定させ、自律神経を整えて、安心できて心地良いという感覚を促します。
また、痛みに対する耐性が増し、精神的ストレスも緩和されます。出産の際に子宮を収縮させて分娩を促したり、乳腺の筋繊維を収縮させて母乳を分泌させる働きもあります。
オキシトシンは、接している相手への親近感を抱かせる働きがあります。子供を守るために必要な感情である愛情を脳に感じさせます。情緒を安定させて人間関係を円滑にさせます。脳内のいろいろな感情を刺激しながら、穏やかな幸福感を増幅させていきます。怒りや悲しみといった強い感情を和らげ、家族、友人、パートナーへの信頼感を深めることができます。他者に対して寛容になり、穏やかな気持ちを保ちます。
逆に不足すると、自信がなくなり、漠然とした不安感、喪失感に襲われます。
健康に関しては、心拍数を抑えて自律神経を整え、血圧の上昇を防ぐ効果があります。血圧低下・心拍数減少は、血中のストレスホルモンを減らします。睡眠を促し、質のよい眠りをもたらす作用もあります。免疫力を高めたり、体の痛みを抑えたりします。
自律神経は、身体を緊張させる交感神経と身体をリラックスさせる副交感神経で構成されていますが、現代人は交感神経の働きが過剰になりやすく、自律神経のバランスがくずれがちです。オキシトシンは、交感神経を抑えて、副交感神経の働きを優位にし、自律神経のバランスを整えます。また、オキシトシンの分泌が増えると、精神的に安定し、うつ病や認知症の症状改善に役立ちます。
女性は、セックスで子宮頚部(ポルチオ)を刺激されると、オキシトシンが大量に放出されます。大量に放出され続けると、大脳の働きが抑制され、放心状態・恍惚状態が続きます。これが、肉体の物理的な反射であるオーガズムよりも強いエクスタシーという状態で、膣イキの正体ではないかと思われます。最高の快楽を得た時に、相手と一体化したような感覚になるのは、このオキシトシンが働いて起きています。
女性がエクスタシー(膣イキ)を得るためには、性感帯への物理的な刺激だけではなく、男性に対する気持ちや信頼感が重要になります。相手の男性を心から愛し、相手を悦ばせることに没頭し、相手に尽くすことが重要です。
オキシトシンの分泌を高めるポイントは2つです。
1つは人と交流することです。会話やスキンシップ、愛撫・抱擁などの皮膚接触、セックスによる子宮頸部への刺激などで促進されます。セックスは最もオキシトシンが分泌される行為ですが、肉体的な触れ合いのみならず、精神的な交流によっても分泌されます。
オキシトシンは、他人と触れ合って幸せな気分になると分泌されます。異性同性に関わらず、背中をさすったり撫でたり、ハグしたりしてスキンシップを取るとオキシトシンが分泌されます。一番良いのはパートナーとボディータッチを取り入れて仲良くすること。オキシトシンがいっぱい分泌されます。手を繋いだり、肩を揉んだりするだけでも大丈夫。他人と楽しく過ごしたり、他人のことを想いながら行動するだけでも分泌されます。
家族団らんで食事をする、友達とおしゃべりをする、心許せる相手と趣味やスポーツをともにする、など。要は、好感を抱く相手との交流で分泌されます。会話だけでもかまいません。大切なのは、心地よく触れ合えることです。逆に、嫌いな人との接触は、自分にとって不快でしかないため、オキシトシンが分泌されることはありません。
相手は知っている人でなくても、マッサージ、リフレクソロジー、エステなどのような場合にも分泌されます。優しくマッサージされていると、筋肉がゆるむだけではなく、気持ちまでゆったりて幸せ心地になってきます。これもオキシトシンの効果です。
また、ツボを鍼で刺激すると、その刺激が脳の視床下部に達し、分泌されます。
親切にして感謝されたときや、褒められたときに、自分は得をしていなくても、良い気分になりますが、これもオキシトシンの作用によるものです。他者のために行動したり、損得にとらわれず親切なことをしたときに、オキシトシンが分泌されます。人間は社会性の高い生き物で、他者の役に立つことが脳内で快の感情を刺激するシステムになっています。人を褒めたり、人の親切に感謝することによっても、オキシトシンは増えていきます。
オキシトシンの分泌を高めるもう1つは、五感に気持ち良い刺激を与えることです。
身体を気持ち良く動かしたり、美味しいものを食べたり、美しい景色を見たり、好きな音楽を聴いたり、良い香りをかいだり。身体と心が心地良く感じることをすればいいのです。
感動的な映画を見る、大自然に触れる、憧れの人に会うなど、強く感動することでもオキシトシンは分泌されます。、恋愛要素のある物語やドラマチックな物語に触れると、人は心を動かされ、想像力を羽ばたかせ、その想像が脳を刺激して、オキシトシンを活発にしてくれます。
好奇心は、オキシトシンも分泌させます。初めての場所へ旅行に行く、知らない分野の本を読む、新しい料理にチャレンジする、メイクをちょっと変えてみる、新しい出会いを求めてみる、など、何にでも好奇心を持ち、どんどんチャレンジしてみましょう。
次回は、今どき女子のアンダーヘア事情について、書いてみたいと思います。