性感染症とは、性的接触により感染する病気のことです。
普通の膣セックスだけでなく、オーラルセックスやアナルセックスによっても感染します。
性感染症は無症状であることも多く、また、症状が軽くて気が付かないこともあります。
さらに、自覚症状があっても恥ずかしいなどの理由から医療機関へ行かないことが多く、病気がいつの間にか他の人へ広がってしまうという性質を持っています。
性感染症の中には、放置すると死に至ったり、癌になる恐ろしい病気もあります。
胎児や新生児への感染など、母子感染として次世代にも影響が及ぶことがあります。
浮気がバレて離別の原因になったり、パートナーとの関係が険悪になったり、そのほかいろんな悪影響が出てくることもあります。
性的接触を行えば性感染症の感染リスクがあります。
予防のための正しい知識を身に付けて行動することがポイントです。
性感染症は、正しい知識と予防、早期発見と早期治療、重症化の防止と感染の拡大防止が重要です。
最近は、クンニやフェラなどのオーラルセックスによるノドの感染も多くなっています。
また、若い女性の梅毒患者が増えています。
性感染症には、いろんな種類があります。
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症法)の中では、報告義務のある性感染症について規定されています。
すべての医師に届け出の義務がある性感染症
A型肝炎、急性ウイルス性肝炎(B型・C型)、アメーバ症、後天性免疫不全症候群(エイズとして発病していないHIV感染症を含む)、梅毒
性感染症定点医療機関(全国約千か所の産婦人科等医療機関)から報告される性感染症
性器クラミジア感染症、性器ヘルペス感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症
「性感染症に関する特定感染症予防指針」(厚生省告示)では、主な性感染症として明示されています。
性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、梅毒、淋菌感染症
この他にも、性的接触を介して感染することがある感染症は、後天性免疫不全症候群、B型肝炎を含め多数あることに留意する必要がある、と明記されています。
日本性感染症学会は、「性感染症診断・治療ガイドライン」で性感染症をあげています。
梅毒、淋菌感染症、性器クラミジア感染症、性器ヘルペス感染症、尖圭コンジローマ、性器伝染性軟属腫、腟トリコモナス、細菌性膣症、ケジラミ症、性器カンジダ症、非クラミジア性非淋菌性尿道炎、軟性下疳、HIV感染症/エイズ、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、赤痢アメーバ症
なお、ヒトパピローマウイルス(HPV)は性的接触を主な感染経路として、子宮頸癌や尖圭コンジローマ等の腫瘍性疾患の原因となりますが、感染症法や日本性感染症学会ガイドラインでは性感染症として明示されていません。
次回は、主な性感染症について、詳しく書いてみたいと思います。
(以上)