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より多くの女性と交わることができればこんなに幸せなことはない。と、世の中の多くの男性が夢見ていることと思いましす。
これは、男性の播種本能から見て、ごく自然な欲求と考えることができます。より若い女性と付き合いたいという希望とともに、男性の性的願望のひとつでしょう。
だだ、今日の社会では、特別な男性を除いて、数多くの女性と交わることは不可能ですから、世の多くの男性は、欲求を理性で抑え込んで、悶々としていることでしょう。
男性の中には、妻一筋という人がたまにいますが、全く女性に相手にされないか、あるいは欲求を押し殺して強がっているだけなのかもしれません。
多くの女性と交わることについては、房中術の「養陽」（ようよう）の章では、
「一人の女性と行為をしていては駄目だ。三人もしくは九人。あるいは十一人というように、多いほどよい」
「一人の女性との行為が終わったら、すぐに別の女性に乗り換えるべし。一晩に十人以上の女性を取っ替え引っ替えして交わるのが、いちばんである」
と記述しています。
もしも、パートナーが次々に変わって、肢体を惜しげもなく投げ出してくれる夢のような事態に出くわせば、男性は嫌でも奮い立つに違いありません。これこそ、まさに精気を溢れさせる「養陽」の術の決定版といえるでしょう。房中術は、男性が常に抱き続ける叶わぬ夢を代弁しています。
男性は、性に対して、いつも新鮮な刺激を求めています。新鮮な刺激は、男性の勃起欲を高めます。女性の努力次第で、男性は勃起します。
たとえば、女性が髪型やメイクなどを普段と違ったように演出し、いつもと異なるテクニックや体位を求めることで、男性は新鮮な驚きを得たりします。
つまり、女性がアトラクティブであることで、男性は興奮し、勃起欲が高まるのです。妻は一人でも、その妻が一人で十人の女性にも二十人の女性にも変身する工夫と心構えを持て、と房中術は言っているのでしょう。男性側から見れば、これで多数の女性と交接するのと同等の刺激と興奮を得ることができ、強精が図られるでしょう。
夫が強精された結果、それによって妻も、より深い満足を得られることにも繋がります。要は、セックスのマンネリ化を打破し、常に新鮮さを求める気配りが大切だ、ということです。
房中術の「養陽」では、「三十歳を越えていなくても、産ある女は、精気強化のセックスの相手には不適格だ」とも言っています。
この理由は、経産婦だと、出産により膣が広がり、締まりが悪くなっているということのようです。また、女性が出産すると、膣だけでなく、その後ろにある肛門も緩みます。理由は、膣を取り巻く筋肉と肛門の筋肉は、８の字形に結ばれており、片方が緩めばもう一方も緩むことになります。その結果、経産婦の多くが脱肛状態になりやすくなります。
こうなると、肛門は汚れやすくなり、その汚れが膣に及んだりします。いくら性器を清潔にしようと努めていても、肛門の方までは行き届かず、性器が不潔になりやすいです。これが炎症などの好ましくない状況を引き起こし、性感を損なったりして、セックスにマイナスになります。このことが、「産ある女は駄目」ということのようです。
さらに、子供を産んだ女性は、自分の姿にあまり気を遣わなくなり、魅力的な存在であろうとする努力を怠りがちになります。脱肛に起因する外性器の汚れをさほど気にしないのもその現れのひとつでしょう。バストの弾力が緩んでも、それを回復させる努力をしなくなったりもします。
酷くなると、髪の手入れもしなくなり、綺麗に着飾って自分を素敵な女性に演出する努めも放棄しがちになります。夫と夜のお勤めをするときも、「さっさとやってよ。疲れているんだから」などということになり、女性としての新鮮さと魅力が全く消え失せてしまいます。これでは、夫もベッドで張り切らなくなるのが当然で、精力のパワーアップは望むべくもありません。最悪の事態、夫は、新鮮さを感じさせてくれる別の女性を求めて、浮気に走ってしまうことになりかねません。これが、「産ある女は避けるべし」の本当の理由でしょう。
しかし、出産によって性感が開発されたり、感度が増す、という女性もいます。子育て中は大変ですが、落ち着いてきたら、ホルモンバランスも安定してきて、ますます綺麗になるという女性もいます。三十歳を過ぎても経産婦でも、素敵な女性はいます。そういう女性と交接ができれば、男性の精力もパワーアップしてくるでしょう。
セックスにおいて、一方的な行為では、互いに快感は得られません。セックスは、男女の共同作業です。より充実したセックスを実現させるためには、男女の「和」が必要です。
次回は、房中術がいう「男女の一致」について、書いてみたいと思います。
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