女性はセックスで恥ずかしいことをされた時、初めのうちは嫌がりますが、この羞恥心が一定の基準を超えると、不快感が凄まじい快感に切り替わり、性的快楽に没入できるようになります。
口ではダメと言いながら、最後は恥ずかしいポーズを受け入れたり、歓喜の声をあげたりします。女性がセックス中に発する「イヤ、ダメ、恥ずかしい」は、往々にして「気持ち良い」を意味します。
恥ずかしいという感情は、大脳が発達した人間だけが持つ高度な知的機能です。他の動物にはありません。しかも、脳が成長しないと得られない感情なので、小さい子供は恥じらいを感じません。人間の、しかも一定以上の年齢でなければ得ることのできない高度な機能です。
羞恥心は、他の動物も持っている警戒心が進化したものと言われています。目の前に危機がなくても、発達した大脳による逞しい想像力が、人間の心に一種の警告として羞恥心を感じさせています。
その恥ずかしさが、様々な理由やシチュエーションで、大きな快楽へと変わっていきます。より恥ずかしい方が、より気持ち良くなります。
なお、言葉責めの場合、相手がコンプレックスに感じていることや、相手の人格を傷つけるような言動は、逆効果になることがあるので、注意が必要です。
羞恥プレイで快楽の扉を開けたという女性クライアントに聞いてみたことがあります。
A子さん30代OLは、自分の腋を見られるのが恥ずかしくてたまりませんでした。
前彼に、しつこく腋を責められたことがあるそうです。最初は嫌で仕方なかった。でも、ずっと舐められていると、触られてもいない膣の中が動き始めたのを感じてきて。
脚を閉じてモジモジしていたら、彼は嬉しそうに、腋を舐められて興奮してる、と一言。舐められているうちに身体が反応してしまったのです。彼の言葉責めを聞いて、もう恥ずかしくて、恥ずかしくて。でも、そう思えば思うほど快感が高まってきて。
その後、ペニスを挿入されると、少し動かされただけで、意識が飛んでしまいそうなくらいに感じてしまいました。
B子さん30代主婦は、夫と友人夫婦の4人で温泉旅行に行った時のことです。
泊まった旅館は、離れ形式で庭には専用の露天風呂。初めての混浴も恥ずかしかったそうですが、その後もっと恥ずかしいことになって。
4人で飲みながら歓談したあと、B子さん夫婦は和室の布団で、友人夫婦は洋室のベッドで就寝。すると、酔った夫がB子さんの布団の中に潜り込み、後ろから抱きついてきて。
襖を挟んだ向こうの部屋には友人夫婦が寝ている。嫌がって手を振りほどいても夫は諦めない。それどころか、手を下着の中に潜ませてくる。友人夫婦に聞こえてしまう。絶対に声を出してはいけない。自分で戒めれば戒めるほど、下半身に意識が集中して火照ったような気分に。いつの間にか自分も感じているとわかり、顔から火が出るほど恥ずかしかったそうです。
次第に夫を受け入れ始めて。挿入中、喘ぎ声が漏れないように、自分の手で口をふさいでいたけど、どうしても声が出てしまう。ダメ、聞こえる、と思ったら、ますます強く感じてしまって声が止まらない。やがて、全身が痺れたような快感に襲われ、頭が真っ白になってイッてしまったそうです。
羞恥心を使って快楽を得やすいのは男性よりも女性の方です。現代社会では、男性より女性の方が身体的規範や服装的規範に縛られています。例えば、外出する際も身だしなみに気を遣い、化粧をして髪も丹念にセットします。一方、男性は何を着ても、周囲からは、さほど気にされません。
制約が多いと、恥じらう機会も増えことになります。女性の方が羞恥心を多く味わう分、セックスの際に、性的快楽と結びつけやすくなるのです。
D子さん40代主婦は、羞恥心が快楽に変わる瞬間の体験を話してくれました。
旅行先のホテルで、窓から夜景を眺めていると、夫が突然、後ろから抱きついてきて。浴衣がはだけて胸は丸見え。ダメ、見えちゃう、でも後ろから激しく突かれて言葉にならない。そしたら、夫が、向こうの窓からこっちを見ているよ、と言って。恥ずかしさで頭が真っ白になった瞬間、全身が痺れたようになって、イッてしまいました。
E子さん30代主婦は、恥ずかしくて、明るい部屋でセックスをすることはできなかったそうですが、あるとき、不倫相手にハプバーに誘われて、明るい部屋で大勢の人に見られて興奮したと言っていました。
プレイのあと、参加者に良かったよと言われて、すごく嬉しかったそうです。何回か経験すると、大勢の人に見られるのは恥ずかしくてイヤという気持ちが変化して、今は、恥ずかしいけど、もっと見て欲しいと思うようになってきたと言っていました。
恥ずかしいけど、見られることによって、快感が一層高まるようになったそうです。
次回は、性感に深く関係する脳内ホルモンについて、書いてみたいと思います。