精液は、一般的に白色または透明で、サラサラまたは少しドロッとした液体です。
暫く射精していないと、凝縮されて黄色っぽくなる事があります。また、射精直後は乳白色で粘り気がありますが、10分程度経過すると透明でさらっとした液体に変化します。
精液は、弱アルカリ性で、たんぱく質、アミノ酸、アルギニン、クエン酸、果糖、レシチン、亜鉛、セレン、コラーゲン、核酸、電解質酸フォスファターゼ、男性ホルモン等50種類以上の成分が含まれています。
分泌物としては、精嚢液、前立腺液、クーパー腺液、精子が混ざったものです。
精嚢液は、精液の約70%を占めています。精嚢とは、前立腺の後ろにある袋状の器官です。精嚢液に含まれるクエン酸は、精子に運動エネルギーを与えています。
精液はゼリー状に少し固まった状態で排出されることもあります。精嚢液は、精子が膣内から流れ出てしまわないように、ゼリー状に固めて排出し、精子の残留率を高める働きをしています。このために、精液は、どろっとして粘り気があります。
前立腺液は、精液の約30%を占めています。乳白色のサラサラの液体です。弱アルカリ性の性質があり、膣内を酸性からアルカリ性にして、精子が生きた状態で子宮に届くことをサポートします。
精液は栗の花や漂白剤のような匂いがしますが、その原因は、前立腺液に含まれているスペルミンの分解物によるものと考えられています。また、タンパク質(アミノ酸)のリシンが分解することによって生成されるカダベリンによっても同様の臭いが生じます。
クーパー腺液(尿道球腺液)は、無臭無色透明の粘液で、少し塩味があります。触ると糸を引きます。俗に、我慢汁とか先走り汁とか言われています。粘性があり、尿道を予め湿らせ、すべりをよくし射精に備えるのに役立っています。 また、挿入時の亀頭と膣口の摩擦を低減するのにも役立っています。
クーパー腺液の分泌量は、性的興奮のレベルが高ければ高いほど、その量は増え、クーパー腺液が出続ける時間も長くなります。
精子は、精液の約1%を占めています。個人差があったり、射精の頻度などに大きく影響を受けます。WHO(世界保健機関)が発表している精液量の平均値は、2.0mlとなっています。精子が泳いでいる姿は、TENGAから発売されているメンズルーペで簡単に観ることができます。
精子は、精巣で1日に5千万~1億ほど作られています。精巣には10億の精子を保存する事ができ、1回の射精で1~4億の精子が射出されます。続けて射精すると、精液の量も精子の量も減っていきます。
精液には、多くの成分が含まれています。代表的な成分を説明します。
精液の成分としてもっとも代表的なものは、たんぱく質です。しかし、正確には、たんぱく質は精子の成分の一つです。たんぱく質は、精子の成分の大半を占めています。たんぱく質は、人間の体を動かすための重要な成分です。
精液の成分として、亜鉛も含まれています。亜鉛は、たんぱく質を作ったり、骨を成長させたりするために欠かすことのできない必須アミノ酸です。亜鉛は、精子の運動を助け、受精の効率を上げる効果があります。
精液を構成している成分の中には、男性ホルモンのほか、次のようなホルモン系の物質が存在します。
コルチゾール(愛情を高める)、エストロン(気分を高める)、プロラクチン(抗うつ作用)、オキシトシン(愛情や気分を高める)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(抗うつ作用)、メラトニン(睡眠作用)、セロトニン(精神を安定させる神経伝達物質)等、いろんなホルモンがあります。
精液に含まれるプロスタグランジンは、膣内に放出されると子宮収縮が起こり、子宮卵巣動脈血流が増加して卵巣機能が上昇します。
一方で、子宮が強く収縮すると痛くなることがあり、性行為が原因で下腹部が痛くなるのは、精液が大きな原因になります。
プロスタグランジンは、陣痛促進剤の一つの成分ですが、もともとは精液から分離したものでした。
精液には、たんぱく質や亜鉛など健康に良い成分が含まれていますが、微量であり、吸収したとしてもその効果は健康食品やサプリには遠く及ばないでしょう。
でも、精液には、もっと素晴らしい効果があります。それは、男性ホルモンの作用です。
精液を飲んだ場合は、少量ですが小腸で吸収されます。膣内に射精された場合は、吸収量も多く、女性にとってとても素晴らしい効果を発揮します。
次回は、男性ホルモンの作用による精液の効用について、詳しく書いてみたいと思います。