避妊方法と避妊率(続編)

  • 2020-2-20
  • 避妊方法と避妊率(続編) はコメントを受け付けていません

〇子宮内避妊システム(IUS)

黄体ホルモンが放出される小さなプラスチック製の器具を子宮内に入れることで、子宮内膜の増殖を抑制し、受精卵の着床を妨げます。また、子宮の入口の粘液を変化させて、膣内に射精された精子が子宮内へ進入するのを妨げることで、避妊効果を発揮します。

医師による膣内挿入や年1回の検診が必要ですが、1度挿入すると5年間有効で、メリットは、女性主体で避妊ができ、経血量が減ったり生理痛が軽くなったりします。

一方、人によっては不正出血や生理不順、腹痛などの副作用の可能性もあります。

避妊率は99.8%(失敗率0.2~0.2%)です。

〇殺精子剤

精子を殺す作用のある薬剤をセックスの直前に膣内に挿入し避妊を行います。ピルのような全身の副作用は無く、女性自身の手で避妊することができる利点があります。形状は、ゼリー、フィルム、錠剤などがあります。現在はほとんど用いられていない方法です。

挿入後5~10分程度で溶けて泡を出し、効果を発揮します。効果が持続する時間は60分程度と短いため、その時間内で射精が行われなければ避妊効果はありません。

正しく使用した場合の避妊率は94%(失敗率6~26%)です

○基礎体温法(リズム法)

基礎体温を測定して低温相から高温相に変わった日(排卵日)を知り、それから4日目以降にセックスを行う方法です。毎日規則正しい生活を続け、かつ毎日決まった時間に基礎体温を測り続ける必要があります。

正常な生理周期の人であれば、基礎体温は低温期と高温期に分かれていて、生理が始まると低温期、低温期から高温期に移行する前後に排卵が起きる、という特徴があります。

低温期から約0.3~0.5度上がったら高温期です。折れ線グラフにすると分かりやすいです。

自分の月経周期を把握できるというメリットもありますが、体調の変化やストレスなど様々な要因で変わる可能性があるため、月経周期の乱れがあると確実な予測が困難です。

失敗率は、理想的な使用の場合は0.4~5%、一般的な使用の場合は24%です。

排卵日を予測するという方法なので、避妊法と言うよりは、妊活の方法です。

〇ペッサリー

ペッサリーは、膣に挿入するゴム状の避妊具で、子宮口に被せるように指で挿入します。精子が膣内に入っても子宮に達しないので、避妊することができます。医師に相談した上で、自分に合ったサイズのペッサリーを選び、セックスの前に自分で装着します。現在はほとんど用いられていない方法です。

避妊率は、理想的な使用の場合は97%、一般的な使用の場合は86%です。正しく付けられないと避妊率は下がってしまいます。(失敗率3~14%)

〇避妊手術(パイプカット)

避妊手術は、女性の卵管や男性の精管を外科手術によって縛り(結紮)、卵子や精子の通過を止めることによって避妊する方法です。副作用がなく、一度手術をすれば永久的に避妊効果が期待できる一方、手術後に子供が欲しいと思っても復元は非常に難しくなります。

避妊率は99.9%です。(失敗率は男性0.1~0.15%、女性0.5~0.5%)

〇その他の避妊方法

プロゲステロンを含有したスティックを女性の上腕の皮膚に埋没して長期間に渡って避妊効果を発揮させるインプラント法や、プロゲステロンを皮下あるいは筋肉注射して3か月程度避妊効果を発揮する注射法がありますが、いずれも日本では未認可です。

また、エブラ(EVRA)避妊パッチなど、エストロゲンとプロゲステロンを含有したパッチ剤を女性の皮膚に貼ることによる避妊方法もあります。1枚のパッチ剤で1週間の避妊ができます。日本では未認可ですが、個人輸入で入手できます。

〇緊急避妊薬(アフターピル)

膣内射精後でも72時間以内に服用することで、緊急的に妊娠を避けるための最終手段として使用される薬です。緊急避妊薬に含有される女性ホルモンが排卵を遅らせ、子宮内膜への着床を阻害することで、避妊効果が期待できます。(失敗率2%)

緊急避妊薬を手に入れるためには医師の診断を受ける必要があります。

次回は、緊急避妊薬について、詳しく書いてみたいと思います。

この記事の著者

アバター画像

star

セラピスト兼カウンセラーのstar です。

美容と健康にとても効果のあるsexが楽しめるよう、お手伝いをしています。

この著者の最新の記事

関連記事

ページ上部へ戻る