サドとマゾ

  • 2020-4-6
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サドとは、サディズムの略称で、頭文字を取ってSと呼ばれています。相手の弱みを見つけるとそこを攻撃したくなるというような性質を言います。相手に精神的あるいは肉体的に痛みを与えることで満足感や快楽を得ます。実際に痛みを与えなくても、相手の苦悶の表情を想像するだけでも興奮を得られる性的嗜好です。

マゾとは、マゾヒズムの略称で、頭文字を取ってMと呼ばれています。自分の弱みを攻撃されたいというような性質を言います。相手から精神的あるいは肉体的に痛みを与えられることで満足感や快楽を得ます。羞恥心や屈辱感を与えられていると想像するだけでも興奮を得られる性的嗜好です。

サドの名称の由来は、フランスの小説家、マルキ・ド・サド侯爵から来ています。加虐性向の強い小説を発表したり、実際に娼館でSM行為をしたと言われています。

マゾの名称の由来は、オーストリアの作家、ザッヘル・マゾッホから来ています。自伝的な作品で、身体的あるいは精神的苦痛を性的快楽とする内容の作品を書いています。

過去、加虐性欲も被虐性欲も精神疾患と見なされ、性的倒錯(パラフィリア)とされていましたが、現代では、性的興奮を得る性的嗜好の一つのタイプであるとされています。

SM行為は、合意の上でお互いに満足できるのであれば、性的嗜好で済まされますが、そうでなければ、暴行、虐待、DV行為となります。

また、売春などで、マゾを売りにしている相手との行為は、性的満足でなくても金銭的な満足があれば、SM行為として成立します。

サディズムとマゾヒズムは表裏一体であると言われており、マゾヒズムである人間が同時にサディズムであるケースがあります。マルキ・ド・サドもザッヘル・マゾッホも、共にサディズムでありマゾヒズムであったと言われています。

現代では、セックスで責めるのが好きなのがSで、責められるのが好きなのがMというように、サドとマゾの概念が、ずいぶんとあいまいな基準となってきています。

性的な意味で、俺はSだと言う男性でも、単にフェラをさせるのが好きなだけだったり、私はMだと言う女性でも、あくまで普通のセックスで責められるのが好きで、苦痛を喜ぶことはできない人だったりします。

威張っている男性はSなのかと言うと、そうとは言い切れません。上品で礼儀正しくて、尽くしてくれる男性は、一見Mのようですが、そうとは限りません。尽くすことで相手を自分の思う通りにコントロールしようとしているSの場合もあります。

Mになれば膣イキができるという都市伝説がありますが、必ずしもそうではありません。しかし、それが完全に間違いだとも言い切れません。その女性が本当にMの素質を持っていて、自分のMの性癖に素直になり、全てをさらけ出して解放されれば、快感に素直になれるので、膣イキができるようになることもあり得ます。

また、SからMに対して、意識や感覚をコントロールされる状況にあるなら、それはMから強い快感を引き出すことができるので、膣イキに導くことも可能でしょう。

これは、催眠術師と催眠術をかけられている者との関係でも起こることです。催眠状態だと、催眠術がかかっている者から強い快感を引き出せることがあります。

さらには、Mになるという非日常の自分になることで、快感を強く得られるようになる可能性があります。日常の自分のままでセックスをしても、強い快感は得られません。

自分の殻から抜け出すことで、脳から快感物質が多く出るようになり、強い快感を得られるようになります。膣イキとは、脳イキのことなのです。

また、SMプレイで縄で縛られていると、縄酔いと呼ばれる状態になることがあります。縄で縛られて動けなくされている状態から快感を得るのです。

縄で縛られるという非日常性が快感を作ることもあるし、苦痛によって快感を作ることもあります。その快感がセックスの快感をさらに高めることは、実際に起きます。 

Mは、奉仕によって快感を得ることもあります。例えば、ご主人様に奉仕をさせていただきます、というのは、奴隷扱いされるMの決まり文句にあります。

Sから指示されたことをするという奉仕であれば、命令という苦痛から快感を得る、つまり、苦痛を快感に変えるMの脳のメカニズムに合いますが、Sの望むことを先取りして行動することで、Sを喜ばせてMが喜ぶという奉仕の場合は、相手の思うことを先取りできることによって、ドーパミンの活動が増すので快感になります。

ただし、MがSの望むことを先取りして快感を得るということは、実はMがSをコントロールしていると言えるので、これは本来のSとMの関係とは言えないと考えられます。

これは、無意識のうちにSとMの性的嗜好が逆転している現象であり、SはMに奉仕をすることがあり、Sは、Mが望むことを先取りすることで、Mをコントロールすることに快感を得ている、と考えられます。Mだと思っていたら、実はSだった、と言うことです。

SMに関する解釈が多様化する現在では、SとはサービスのSの略だ、という言葉を聞くことがありますが、前述のように、相手の望むことを先取りできることに快感を得るというメカニズムからすれば、その言葉も正しいかもしれません。

次回は、SMプレイについて、書いてみたいと思います。

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セラピスト兼カウンセラーのstar です。

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