カーマ・スートラ

  • 2024-1-23
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カーマ・スートラは、古代インドの性愛論書で、推定でおよ4世紀から5世紀にかけて成立した作品といわれており、中国・漢代の「素女経」(そじょきょう)、イスラム圏・15世紀の「匂える園」と並ぶ「世界三大性典」の一つです。

カーマは性愛、スートラは経典という意味で、性愛の指南書です。いわゆる四十八手の指南書ではなく、本来は、人間同士が出会って、お互いに言葉を交わし、惹かれ合い、愛し合うための手引き書、ということのようです。

古来インドでは、人生の三大目的は、カーマ(性愛)、ダルマ(美徳)、アルタ(富・実利)ととされてきました。少年時代には、学問の修得などアルタを求め、名誉・富・権力への道を拓き、青年時代には、カーマ即ち性欲の満足を追求し、豊かな愛と官能的素養を深めることに精進し、老年にはダルマ、すなわち宗教的・道徳的な義務を追及すべきであると。

古代インド人の人生観に基づいた学術の中に「性学」(カーマ・シャーストラ)があります。性学では、人が性感をいかにして最もよく満足せしめるかの方法を教えることをその主な目的としていました。

カーマ・スートラは、1000編におよぶといわれる現存する古代インドの性愛論書「カーマ・シャーストラ」を、カーマの研究者であるヴァーツヤーヤナが、全体を圧縮して一篇のの教科書として編述したものです。

それまでは、性愛に関する論典(カーマ・シャーストラ)は、多くの学匠によって部門別に篇述され、相互の脈絡は断絶されていました。

カーマ・スートラは、ナーガラカに、愛の技巧を教え、恋の喜びの手段を示すことを目的としています。

ナーガラカ(都人士=とじんし)とは、都会に住んでいる人という意味で、カーマ・スートラにおいては、財を成し裕福に生活する教養のある男性、洗練された情事ができる粋人、とされています。

カーマ・スートラの記述の内容は、凄いです。例えば、性愛の対象として三部が割り当てられており、「妻について」「他人の妻について」「遊女について」という項目が立てられています。

他人の妻については、「人妻に対する愛情がある段階の強さから更に他の段階へ移る場合、我と我が命を救うため、彼女に言い寄って差し支えない」という身勝手な理屈づけがされています。

段階については、①見て惚れる、②心を惹き付けられる、③絶えず物思いに耽る、④眠れなくなる、⑤痩せ衰える、⑥享楽の対象から遠ざかる、⑦恥も外聞もなくなる、⑧気が狂う、⑨失神する、⑩死ぬ、という十項目に分けられています。

人を好きになる段階は、いろいろあるんですね。気が狂ったり、死んだりするのは困ります。それくらいなら、人妻に言い寄ってもかまわない、ということでしょう。愛とか恋というものは、本来そういうものかもしれません。

カーマ・スートラは、7部35章に渡って書かれており、その内訳は、以下の通りです。第二部は、赤裸々に性行為について綴ってあるため、特に有名です。

第一部は総論で、五章四節からなっています。三目的の達成、学問についての解説、ナーガラカ(都人士)の生活、等について記述されています。

第二部は性交篇で、十章十七節からなっています。性器の種類と大きさ、快感の種別、接吻、前戯、性交体位、オーラルセックス、スパンキング、変態性欲、陰茎の動かし方、等について記述されています。

第三部は処女との交渉篇で、五章九節からなっています。求愛と結婚、等について記述されています。

第四部は妻女篇で、二章八節からなっています。貞淑な妻の態度、多くの妻妾あるときの最年長の妻の態度、最年少の妻の態度、再婚した寡婦の態度などの妻の適切な行為や、多くの妻妾に対する男の務め、等について記述されています。

第五部は人妻篇で、六章十節からなっています。女に好かれる男、人妻の口説き方、求愛、仲立ちをする女の役目、自己の妻妾を他人の誘惑から守る方法、など主に人妻誘惑の方法について記述されています。

第六部は遊女篇で、六章十二節からなっています。遊女(娼婦、妓生)の種類、客についての考察、金銭獲得の手段、客の拒絶、好まない男を遠ざける方法、情人への献身、等について記述されています。

第七部は秘法篇で、二章六節からなっています。魅力を増す方法、強精剤、精力減退を回復する方法、陰茎を大きくする手段、等について記述されています。

次回は、カーマ・スートラの内容について、詳しく書いてみたいと思います。

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セラピスト兼カウンセラーのstar です。

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