セックス依存症は、ホルモンバランスの乱れによって起きると考えられています。
ドーパミンとテストステロンというホルモンが過剰に分泌されていることが原因です。
ドーパミンは、やる気ホルモン・幸せホルモンと言われ、快感や幸福感を感じる報酬系のホルモンです。人が頑張ろうという気持ちになるのも、ドーパミンのおかげです。
脳内ホルモンであるセロトニンは、ドーパミンをコントロールしていますが、セロトニンが減少すると、バランスが崩れて、ドーパミンが暴走してしまうことがあります。
ドーパミンとテストステロンによるオーガズムの循環作用によって、女性は快感を与えてもらうことを常に求めるようになります。これが、いわゆるセックス依存症です。
依存状態の危険性を自覚し、脳の欲求に負けない強い意志を持つことで、ホルモンバランスの乱れによる暴走を防ぐことは可能でしょうが、自己受容・自己肯定感が得られないような精神的に不安定な状態にあれば、依存症に陥ることがあります。
愛情の渇望感を補償するためにセックスを行ってしまう、それがセックス依存症の正体だと言われています。代償行為では、どんなにセックスを繰り返しても心が満たされることはないでしょう。
自己肯定感が得られない原因として、幼少期の愛情不足、過度のストレス、家庭内虐待、性犯罪被害等があります。その結果、脳の欲求に負けて、依存症に陥ってしまいます。
成長過程において両親から十分な愛情を受け取ることができないと、心が満たされることを知らずに育ち、自己肯定感が得られないことがあります。また、過度なストレスでメンタルを病むと、自己肯定感が得られなくなってしまいます。
両親からの愛情が不足している人や、過度なストレスでメンタルを病んでいる人が、セックスの快楽で精神を解放しようとして、セックス依存症に陥りやすくなります。いずれも、自分の精神面でのバランスを保つために、依存症になる傾向にあります。
また、セックス依存症に陥ってしまう女性の場合は、家庭内性虐待や性犯罪被害など、過去の陰惨な被害体験が大きく影響していると言われています。
聞くに堪えない虐待をされて育っているため、自己評価が低く(自分を大切にできない)、セックスの時に相手に抱き締められていることで、自分が必要とされていると錯覚してしまい、セックスそのものにのめり込んでしまいます。
セックス依存症は、ただ快楽に浸り続けている訳ではなく、自分の体を大切に扱うことができない自傷行為です。
本人にとっては、不特定多数の男性とセックスを繰り返すことが不安や葛藤、痛みを和らげる鎮痛作用、つまり自己治療の側面もあるため、自ら性風俗店で働くことを望む女性も少なくないようです。
なお、セックス依存症に陥りやすい人は、次のような特徴があると言われています。
①モテたい願望が強い
いつも周りの人からチヤホヤしてもらいたいという願望が強い人は、セックス依存症に陥りやすいようです。これは、一人でいる時間を苦痛だと考えていることが原因です。
②スタイルや容姿に自信がある
自分の外見に自信を持っていなければ、不特定多数の人に裸を見せることはできません。反対に、外見に自信のある人は、内面にコンプレックスを感じていることが多いです。
③現実逃避をしている
過去に性的なトラウマを抱えることで、トラウマを忘れるために淫靡なセックスを求めます。これは、セックスに対する不安や恐怖が薄れることで、今までの反動でセックス依存症になっている状態でもあります。
また、次のような人もセックス依存症になりやすいと言われています。
①浮気に抵抗感を持っていない
セックス依存症になる人の多くは、浮気に抵抗感を持っていません。ストレスが溜まるとセックスで癒やそうとしますが、家庭がうまくいっていない場合は、セックスの相手を外に求めるようになってしまいます。
②愛とはセックスであると考えている
セックス依存症になる人の多くは、愛とセックスを同じものだと考えています。そのため、誰かに愛されるためには、セックスをしなければならないと考えてしまいます。
自分の性格を変えることは難しいことです。でも、それを知って対応することは可能だと思います。依存体質を理解してくれる人と安全なセックスを楽しめば良いと思います。
次回は、セックス依存症の治療について、書いてみたいと思います。