Mであっても、初めから苦痛を快感に感じるわけではありません。
SMプレイの中でもハードな調教。例えばスパンキングなどの鞭打ち系、針やピアスなどの流血系、水や火などの拷問系、首絞めや圧迫などの窒息系など、肉体的ダメージの大きいプレイは、どんな状況、場合でも痛いし、辛いものです。
肉体的ダメージ以外でも、女王様の黄金を食べる、聖水を飲む、言葉でとことん罵倒され責められるのは、精神的苦痛が大きいです。
被虐が元から好きな人もいますが、興味や好奇心があっても、なかなかそのようなハードな調教を乗り越えられないMもいます。
こんなこともできないなんてオレはダメな男だと落ち込んでしまうM男性。女王様のご期待に応えられないと考え悩むM男性。女王様への忠誠心や愛情、主従関係が深ければ深いほど、繊細なM男性は傷付きやすいのです。
自分で望んだことなのに、なかなか受け入れられないと悩んでしまいがちですが、その苦痛が、ある日突然快感に変わる瞬間があります。苦痛や悶絶が快感に変わる瞬間、それは突然に来ます。心配はいりません。痛みがいつかは快感になります。(そう信じて)
叩かれたら痛い。痛いものは痛いんです。どれだけそのプレイが好きで興味があって自分からお願いしたものでも、乳首や○ンコにピアスの穴を開ければ痛いし、鞭で叩かれればミミズ腫れができて鋭い痛みが走ります。
もし、二回目の挑戦をする時に、前回の痛みがフラッシュバックして、恐怖で居ても立ってもいられないというなら、そのプレイは自分には合っていません。やめましょう。
だけど、もう一度やってみてから決めたいという人もいると思います。その気持ちがあれば、トライしてみましょう。
その時は、ご主人様や女王様に前回よりももう少し緩めにお願いしてみましょう。プレイの強度を少し緩めるだけで受け入れられることもあります。
ある事例を紹介します。
どうしても大好きな女王様の黄金が食べたいM男性。女王様にお願いして体調を整えて準備してもらったのに、どうしても食べられませんでした。
どうして私から出た貴重なものが食べられないの、と女王様にお叱りを受けたのです。
口に持っていくことすらできず、落ち込んでいましたが、願望を諦められず、もう一度チャレンジしてみました。
その時は直に口に出してもらい、口に入れることは成功。しかし食べることはできなかったそうです。
三度目のトライで、噛むことはできた。飲み込むことはなかなかできなかったが、何度かトライしてやっと飲み込むことができた。その時はとてつもない幸せと達成感でいっぱいになり満たされたそうです。
そのM男性は、大好きな女王様の黄金が食べたくて食べたくて、でもできなかった。しかし、黄金が出る瞬間を拝みながらやったら、最終的には食べることができたのです。
プレイの難易度を緩める、もしくはちょっとしたご褒美、あるいは性的に満足する何かが付加されると、人は頑張れるのです。
こうやって苦痛を乗り越えられたM男性は、苦痛から快感を得ることができました。
他のプレイでも同じことが言えます。首絞めや圧迫など生命の危機を感じるようなプレイは注意が必要ですが、圧迫される気持ち良さや、圧迫されることで感覚が研ぎ澄まされて敏感になる人もいます。
布団の圧縮パックで全身を圧迫されたいというM男もいましたが、その人は、記憶にはなくても母親の胎内に居た時の感覚に似ていて好きなのかもしれません。
感覚的に好きなプレイは、痛くても快感を感じやすいです。鞭打ち、拷問などのハードなプレイでも、やっていると、ふとした瞬間に気持ち良く感じる時が来ます。
それは、例えばマラソンで走っていて体が重いのに急に軽くなるなど、苦を感じなくなる瞬間があります。そんな感覚に似ていると思います。
また、女王様の黄金が食べられるようになったM男性のように、何かのきっかけで急にできるようになった瞬間に、快感を感じることができるでしょう。
どんなSMプレイでも、自分に合わないものを除いて、必ず苦痛から快感に変わることができます。ただし、相性や技量や個人差があるので、時間が掛かることはあります。
次回は、どうすれば痛みを快感に感じられるかについて、書いてみたいと思います。