最近メディアで聞くようになったのが介護脱毛です。介護脱毛とは、自分が将来介護される立場になった時に、排泄後の拭き取りで介護する人に迷惑をかけないように、また、デリケートゾーンが清潔に保たれるように、前もって元気なうちにアンダーヘアを脱毛することです。
なぜ若いうちにやるのか。歳を重ねると髪の毛が白くなるのと同じで、アンダーヘアも白くなります。レーザー脱毛や光脱毛は、黒い毛の色素に反応させて脱毛するため、毛が白くなると脱毛効果を得にくくなります。30~40代のうちにアンダーヘアの脱毛を勧めるのは、そんな事情もあるからです。
介護施設でオムツの処理をする時、デリケートゾーンが脱毛済みでツルンとしていれば、サッと皮膚を拭き取るだけの短時間でできます。清潔を保つことができ、ニオイも気になりません。
アンダーヘアがあると、ゴワゴワの毛にこびりついた排泄物を拭き取るのに時間が掛かって、限られたケア時間の中で完全にキレイにするのはかなり困難です。ニオイもきつくなりがちなのが現実です。
介護施設にいる高齢者の中には、自分がおむつケアをされる立場になったこと、排泄周りのケアを充分にしてもらえていないこと、などの状況から、自らの心の尊厳を保てなくなり、心のバランスを崩して、老化が加速するケースがあるとも言われています。デリケートゾーン周りの問題は、そのくらい人生そのものに直結しています。
デリケートゾーンの準備をしておくことは、幸せな老後のための保険です。お金もある程度自由になる健康な今のうちに処理をしておくことが、将来への安心に繋がります。
施設介護を受けることは、ごく自然のことであり、当然の権利でもあります。その時に、堂々と「お願いします」、「お世話になります」と言うためにも、きちんと身体の準備をしておきましょう。
毛がないと皆で温泉旅行に行ったときに恥ずかしいという人もいますが、介護施設に入った時にケアが行き届かず、排泄物が毛にこびり付いて不潔になったり、ニオイがする方がもっと恥ずかしいと思います。老後に後悔しないよう、若いうちに脱毛をしましょう。
歳を重ねていくと徐々に免疫力が下がり、ちょっとしたことでも肌トラブルの原因となってしまいます。肌の回復力も低下しているため、いったん皮膚の痒みやタダレが起きてしまうと治りにくくなり、長期間不快な状況が続いてしまう可能性もあります。
介護時にアンダーヘアが長いと、次のようなトラブルの原因となる可能性があります。
①不衛生な状況が続くと雑菌が繁殖してニオイの原因となる。
②オムツ着用での生活となった場合、排泄物がアンダーヘアにこびりつくこととなり、キレイに拭き取ることが困難となる。
③着替えのたびに何度も強く拭き取ることにより肌が損傷し、皮膚が赤くタダレたり、痒みや痛みの原因となる。
④状況によっては、シラミの発生など不衛生な肌環境を作る原因となる。
このような事態は、事前にアンダーヘアを脱毛しておくことで簡単に対応でき、生活の快適度を大きく改善することができます。
アンケートによると、介護で苦労したことの1位は排泄のケアで62.5%、2位は入浴で58.3%の人が挙げています。汚れやニオイの悩み、さらに、介護を受ける人にとっても、もどかしさ、恥ずかしさから、プライドが傷つく難しい問題です。オープンに話しづらいという意識もあり、多くの人が悩みを抱え込んでいます。
介護する側にとって、オムツ交換は、身体の大きな大人相手は大きな負担となります。要介護者のことを思い入念に排泄物の拭き取りが行われますが、同時に要介護者の身体を支えながらの作業でもあるため、なかなかキレイに拭き取ることは難しく、介護する側にとって体力的な負担が大きくなります。
介護中の入浴は一般的に週2~3回程度なので、陰部のニオイが発生する可能性もあり、介護する側の負担も大きくなってしまいます。介護する側からすると、赤ちゃんのようにアンダーヘアがなかったらどれほど助かるか、と思うことでしょう。
介護脱毛は、VIO全てツルツルの無毛状態にするのが理想的です。アンダーヘアが全てなくなるので、排泄後の拭き取りには毛が絡むことが一切なくなり、最も衛生的です。
毛がまったくないことは不自然であることから、人によっては違和感を感じることがあるかもしれません。その場合は、Vラインだけサイズを小さく減毛して、薄く自然な形で少し生えているようにするといいと思います。Vラインに毛が多少残っていても、排泄時に汚物が絡みつくことは殆どないので、デリケートゾーンを清潔に保つことができます。
IラインとOラインは、排泄物が絡みつきやすく不衛生になりやすいので、全て脱毛してツルツルの無毛状態にしましょう。こうすることで、介護を受ける時に限らず、日常生活でも、トイレの後の拭き取りがしやすくなり、デリケートゾーンを清潔に保つことができるようになります。
次回は、セルフでVIO脱毛する方法について、詳しく書いてみたいと思います。