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日本では、直系血族、直系姻族、義理の関係を除く傍系血族3親等以内の者との婚姻届は受理されません。これは、戸籍に記載された関係で判断されます。
実際には婚姻が認められない近親関係であっても、戸籍に記載されていなければ、婚姻届は受理されてしまいます。例えば、本妻の子と認知されていない愛人の子で、遺伝上の兄妹であっても、戸籍で兄妹でなければ、婚姻届は受理されてしまいます。
法律婚ではなく事実婚の場合も、戸籍上は何の記載もありませんから、例えば遺伝上の父親と娘であっても、認知しなければ、婚姻届を出せば受理されてしまいます。
近親者である事実を知らずに婚姻関係が成立してしまっても、その後に認知などで近親者である事実が判明した場合は、婚姻は無効となり、婚姻がなかったことになります。この場合の無効を主張をすることができる者は、当事者・親族・検察官です。検察官は、公益の代表者として、戸籍維持・家族関係の秩序維持の観点から、主張することができます。
不妊治療において、第三者の精子提供を受ける非配偶者間人工授精で生まれる子が増えてくると、同じ精子提供者を持つ「遺伝上の異母兄弟姉妹」が恋愛をしてしまうことが考えられます。一般的に精子提供者は匿名で、戸籍には婚姻した父母の名が記載されているのみで、本来なら婚姻届が受理されない範囲の「近親婚」をしてしまう可能性があります。
未婚の母が増えて、戸籍の父の欄が空白であった場合、母は父親が誰であるかを知っていても子に話せない事情がある場合も、同じ父を持つ「遺伝上の異母兄弟姉妹」が恋愛をしてしまうことが考えられます。父が分からなければ「近親婚」の可能性があり、何かのきっかけで父が同一であると分かった場合に、結婚ができないと悲観して、悲しい結末になることも考えられます。
近親者同士の内縁関係が事実上の婚姻として社会保障制度の対象になるかどうかは、議論がわかれます。具体的には、厚生年金保険法3条2項の規定が議論となりますが、判例は事例ごとに判断が割れています。
茨城県で父方の叔父と1958年以降内縁関係にあった姪が、叔父の死亡後に近親婚を理由として社会保険庁から遺族年金の支給を断られたため裁判となった事例があります。2004年6月22日、東京地裁は、地域社会で内縁関係が公認されている以上は、法的な妻と同等の権利はあると判断しました。しかし、控訴審の東京高裁では、2005年5月31日、近親婚的内縁関係に権利を認めると民法で守られている秩序が破壊されてしまうとして、社会的に保護される権利はないと逆転判決。これを受け最高裁への上告が行われ、2007年3月8日、最高裁は、この場合は地域社会に受け入れられているため、倫理性や公益性を省みた上で権利は認められる、と原告の訴えを認める判断を示しています。
最高裁の判断は、「遺族厚生年金の支給を受けることができる地位を内縁の配偶者にも認めることとしたのは、労働者の死亡について保険給付を行い、その遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するという法の目的にかんがみ、遺族厚生年金の受給権者である配偶者について、必ずしも民法上の配偶者の概念と同一のものとしなければならないものではなく、被保険者との関係において、お互いに協力して社会通念上夫婦としての共同生活を現実に営んでいた者にこれを支給することが、遺族厚生年金の社会保障的な性格や法の目的にも適合すると考えられたことによるものと解される。他方、厚生年金保険制度が政府の管掌する公的年金制度であり(法1条、2条)、被保険者及び事業主の意思にかかわりなく強制的に徴収される保険料に国庫負担を加えた財源によって賄われていること(法81条、82条)を考慮すると、民法の定める婚姻法秩序に反するような内縁関係にある者まで、一般的に遺族厚生年金の支給を受けることができる配偶者に当たると解することはできない。」
「三親等の傍系血族間の内縁関係については、それが形成されるに至った経緯、周囲や地域社会の受け止め方、共同生活期間の長短、子の有無、夫婦生活の安定性等に照らし、反倫理性、反公益性が婚姻法秩序維持等の観点から問題とする必要がない程度に著しく低いと認められる場合には、上記近親者間における婚姻を禁止すべき公益的要請よりも遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するというほうの目的を優先させるべき特段の事情があるものというべきである。したがって、このような事情が認められる場合、その内縁関係が民法により禁止される近親者間におけるものであるという一事をもって遺族厚生年金の受給権を否定することは許されず、上記内縁関係の当事者は法3条2項にいう『婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者』に該当すると解するのが相当である。」(多数意見)というものです。
養子縁組による義兄妹が夫婦となった場合で、直系卑属や直系尊属の相続人がいない場合は、配偶者としての相続権を放棄して妹としての相続権のみ残せるかということについて、配偶者としての相続権放棄を確認するための申述書の謄本と、妹としての相続権を放棄していないことを確認するための印鑑証明書を付属させた上申書を、戸籍謄本及び除籍謄本に加えて提出した場合は、そのような所有権移転登記も可能とされています。(平成27年9月2日民事二362号法務省民事局長通達)
第一順位の直系卑属や第二順位の直系尊属の相続人がいない場合は、第三順位の兄弟姉妹と常に相続人となる配偶者との間で遺産を分割することになりますが、配偶者の法定相続分は4分の3、残りは兄弟姉妹で均等に法定相続分を有します。いろんな事情で、配偶者として多くの遺産を相続するのではなく、兄弟姉妹として他の兄弟姉妹と平等に遺産を相続したい場合に、このような方法を取ることが考えられます。
次回は、近親性交を巡る諸問題について、書いてみたいと思います。