痛みを快感に感じる仕組み

  • 2020-3-6
  • 痛みを快感に感じる仕組み はコメントを受け付けていません

SMの快感の源泉は、ドーパミン快感回路の激しい活性化によるものです。一度、M女性として調教された人は、薬物依存症と同様、次第に過激な刺激を求めていきます。

生物は生命維持の機能として、身体に損傷を負った場合、その危険を知らせるために、疼痛という信号で脳などの管理中枢にアラームを送るシステムを構築してきました。

一方で、生物はその痛みや苦痛が長時間継続する場合、その痛みそのものを緩和する物質を、神経麻薬として体内で生成する機能も作り上げました。

怪我などを負っての長時間の苦痛は、生命と精神を破壊する恐れがあるからです。その苦痛を緩和する物質が、エンドルフィンやダイノルフィンなどの脳内麻薬物質です。身体は、自らモルヒネのような鎮痛物質を作り出します。ちなみに、エンドルフィンはモルヒネの3千倍の麻酔効果があります。

脳内麻薬はドーパミン神経も活性化します。エンドルフィンやダイノルフィンは痛みを抑え、また大量のドーパミンの分泌を促進します。脳内に分泌されたドーパミンは恍惚感と多幸感を演出します。人に快感をもたらします。

継続的もしくは定期的な痛みや苦痛を与えられることで、人は脳内麻薬の分泌を強化して、その苦痛に対抗しようとします。すると、ドーパミンの分泌も増加されて、快感は更に大きくなっていきます。

SMの快感も、ドーパミン快感回路の作用です。M女性は苦痛を与えられることによって脳内麻薬であるエンドルフィンやダイノルフィンを分泌していきます。その分泌量は刺激の時間と量に比例していきます。

最初は痛みと恐怖でしかなかった感覚が、刺激の増加とともに、脳内麻薬の分泌を増やしていき、やがて大量のドーパミン照射となり、最初は軽度の快感が、次第にオーガズムの強い快感へと変わっていきます。

定期的に長時間、縛りや殴打などの苦痛の刺激を与え続けることで、M女性は快感を感じる体に変化していきます。

人間は痛みと快感を同時に感じることができます。苦痛に伴う快感は記憶されて、ドーパミン神経は強化され、次第に肉体の快感として渇望感が増して、更に刺激を欲します。

また、女性ホルモンであるエストロゲンは、相手を受け入れることに対して悦びを与える物質でもあります。エストロゲン濃度の高い女性は、相手に従い、虐げられ、蹂躙されることが悦びの一つになります。

女性は、肉体的精神的苦痛に伴う快感の依存症になり、M女性として完全調教されるのです。参考までに、男性ホルモンのテストステロンは、攻撃性を有するホルモンです。

蝋燭、縄、針、鞭などが快感へのトリガー(引き金)にもなっていきます。やがて、女性はご主人様なしでは生きていけなくなるM女性となっていくのです。

そして、ご主人様そのものもトリガーになっていきます。M女性は、ご主人様の声を聞いただけで濡れ、姿を見ただけで恍惚感に浸ります。

SM快感のメカニズは、中毒症のメカニズと同じです。SM調教は、その仕組を巧みに取り入れて、性の別の快楽領域を作り出しています。

縄で縛られる、鞭で叩かれる、針で刺される、熱い蝋を垂らされる、拘束具で身動きできなくされる、などの苦痛を打ち消そうとする脳の働きが快感を作り出します。

エンドルフィンは、多幸感をもたらす脳内物質です。体内で分泌されるモルヒネと言われ、効果としては鎮痛作用、高揚作用、快感作用などがあります。

痛みが消え、悦びの感覚が増幅します。ランナーズ・ハイを味わったことのある人は、理解できると思います。

ドーパミンは、やる気物質と言われる脳内物質です。運動調節、ホルモン調節、快の感情、意欲、学習に働きかけると言われます。ドーパミンは、瞳孔を開かせ、脳を興奮させ、快感を感じさせます。

特に依存性が強い物質で、ドーパミンが多すぎると幻覚を見たり、逆に少なすぎると認知症になったりすることもあります。

参考までに、覚醒剤は、ドーパミンを増加させる作用があります。薬物依存症になると、自分の体内でドーパミンが作れなくなり、ドーパミンをコントロールできなくなって、肉体や精神が壊れてしまいます。

なお、腰痛や腹痛などの痛みを感じた時には同じ現象は起きません。それは、腰痛や腹痛が快感に変わったら、人は動き回ってしまい、治りが遅くなるので、快感には変わらないと言われています。

なお、M女性であっても、SMプレイで痛みを快感に感じられないという人もいます。

次回は、痛いものはやっぱり痛い、について書いてみたいと思います。

この記事の著者

アバター画像

star

セラピスト兼カウンセラーのstar です。

美容と健康にとても効果のあるsexが楽しめるよう、お手伝いをしています。

この著者の最新の記事

関連記事

ページ上部へ戻る