セックスの絶頂感をオーガズムといいます。
女性がオーガズムに至る過程には、次の4つの段階があります。
第一段階は「興奮期」で、キスや前戯などの刺激を受けて興奮していく過程です。
クリトリスと膣に血液が充満して、クリトリスは包皮を飛び出して勃起します。
ペニスを受け入れやすくするために小陰唇は大きく開き、愛液が分泌されて膣内が濡れ、ペニスの挿入やピストン運動を助ける準備を整えます。
乳首が勃起し、乳輪も大きくなります。
心拍数が多くなり、少しずつ呼吸も荒くなって、喘ぎ声も出てきます。
第二段階は「平坦期(高原期)」で、絶頂への前段階です。
性的紅潮(セックスフラッシュ)が起こり、全身の皮膚がピンク色に変わり、小陰唇が充血して赤みを帯びてきます。クリトリスは、平坦期には包皮の中に戻ります。
血圧が上昇し、呼吸の乱れも喘ぎ声も大きくなります。
愛液の分泌もさらに活発になり、膣の入り口が濡れてきます。
愛液は、性交時に膣を傷つけないようにするための潤滑液の役割を果たします。
心理や体調によって量に差があります。個人差もあります。年齢によっても違います。
愛液の量が少ないから感じていないとか、濡れているから感じているとかは、一概にはいえないようです。
膣内では、入口付近が充血して膣壁が厚く盛り上がり、巾着の口を締めたような状態になります。
奥では、子宮口が下りてきて、風船をふくらませたように広がり空洞ができます。
これは「バルーン現象」といわれ、イク直前くらいの強烈な刺激を感じている時に起きる現象です。妊娠しやすくするために、膣内に空間を作り射精された精液を逃さずに捉え、精子を溜めやすくするための動きだといわれています。
この現象のために膣の締まりが緩いと感じることがあるかもしれませんが、女性が強烈に感じている証拠であり、男性のテクニックが上手であると自信を持ちましょう。
第三段階は「絶頂期」で、オーガズムといいます。
耳や頬は紅潮し、心拍数も180くらいまで上がります。
子宮や膣、骨盤内の筋肉に0.8秒の短い間隔で激しい収縮が起きます。
個人差もありますが20秒程度続きます。
筋肉の収縮は全身で起こり、特に肛門周辺の括約筋とお尻やお腹の筋肉が強く収縮します。
膣の入り口では、陰茎が締められるように感じます。
奥では、子宮頸管が収縮して精液を吸い上げるような動きをします。
筋肉の収縮に伴って、体が反り返ったり、足の指を曲げたり、体がピクピク痙攣したりする現象がみられます。
快感を感じているはずなのに、眉間にしわを寄せて苦しそうな表情、まるで般若の面のような顔をする女性もいます。
頭が朧朧とする、真っ白になる、体が浮いたようになる、と表現する女性もいます。
第四段階は「消退期」で、果てた後、10~15分くらいかけてゆっくりと通常の状態に戻ります。
充血していた小陰唇の色も、勃起していた乳首も、肌の赤みも、次第に通常の状態に戻っていきます。
クリトリスはオーガズムの10~20秒くらい後に元に戻りますが、 膣や乳房が元に戻るには15~30分ほどかかります。
このため、セックスの後にもしばらく快感が続きます。
余韻に浸って眠る女性もいますが、まだ全身の感度は非常に高まっており、愛撫などの刺激によって、続けてさらなる快感を得られる女性もいます。
男性は射精の回数で何回イッたといいますが、女性は数え切れないほど続けて何回もイクという人もいます。
射精して終わりではなく、女性に余韻の時間を十分に楽しんでもらうことが、また何回も続けてオーガズムを感じてもらうことが、男性にとっても女性にとってもセックスの満足感であると思います。
次回は、オーガズムの仕組みについて書いてみたいと思います。