オナニーの物理的な刺激が強すぎて、それに慣れてしまい、実際のセックスの刺激では射精できない場合は、オナニーの方法を変えて、膣の刺激になるべく近いような、刺激の弱いオナニーでも射精できるように慣れる必要があります。
また、付随する動作がオナニーとセックスで異なっていることも、膣内射精を困難にしています。オナニーの時の姿勢を、実際のセックスの時の姿勢に近づける事が有効です。
ペニスを床に擦りつけたり、布団に擦りつけるような、実際のセックスと異なる刺激のオナニーは止めましょう。
皮と手をぴたりとくっつけて皮を使って擦る、いわゆる皮オナニーも止めましょう。
手を使った理想的なオナニーは、人差し指と親指で輪を作り、亀頭冠を中心に軽く擦るような、実際のセックスに近い、亀頭~陰茎を摩擦する方法です。この方法に移行することができれば、膣内射精障害は改善します。ローションやコンドームの併用も効果的です。
精神的な刺激が強すぎるのが原因というのは、例えば通常のセックスよりも過激なAVばかり見ていると、実際のセックスでは刺激が弱くて、興奮が足りず、膣内で射精することができなくなるというものです。
オナニー時のオカズは、普通のセックスのAVにして、実際のセックスで興奮するのと同じような興奮になるようにしましょう。
このほか、克服方法としては高度なテクニックですが、実際のセックスの時に、想像を逞しくして興奮を高め、膣内で射精できるように、頑張る方法もあります。
また、禁欲して精液を溜めておくと効果があるという説もあります。精液は三日で満タンになります。溜まるとムラムラして出したくなるので、弱い膣の刺激でも射精しやすくなるのでしょう。
医療機関で行われる具体的な治療法の一例を挙げてみます。
○コンドーム・マス法
膣内射精障害を治すには、膣内と同等の圧力に慣れる必要があります。コンドーム・マス法はコンドームを女性の膣内とイメージして、その中に射精する方法です。
やり方は、次の通りです。
①コンドームの中にゼリー(ローション)を入れる。3~5グラムが適量。
②ゼリー(ローション)を内側全体に馴染ませる。
③コンドームにペニスを挿入する。
④根元を固定し、コンドームの中でペニスが動くようにコンドームを手で上下させる。
⑤最後は思いっ切り射精をする。
膣内で射精をするイメージでイクようにすると、膣内射精障害の治療につながります。
コンドーム・マス法の注意点としては、なるべく力を入れないことです。いくら気持良くなっても、ここで思いっきりオナニーをしてしまっては、膣内射精障害の治療にはなりません。目的は、膣内と同等の圧力に慣れることです。
○TENGAのメンズトレーニングカップを使用する方法
TENGAヘルスケアが開発したメンズトレーニングカップを使用して治療をした結果が、日本性機能学会で報告されています。
それによると、腟内射精障害の主な原因は不適切なマスターベーションであると分析されています。強すぎるグリップ、脚に力を入れる脚ピン、床に押し付ける床オナなど、腟内とは大きく異なる、強い刺激に慣れてしまった男性に多く見られると考察しています。
こうした男性に対しては、適切なマスターベーションの方法を教え、弱い刺激で射精できるよう導く「射精リハビリテーション」が必要であり、その射精リハビリに活用しているのが、この製品である、としています。
TENGAのコンセプトは、性を表道りに、誰もが楽しめるものに変えていくというもので、性の悩みや問題を解決したいという考えのもとで、一部の商品展開をしています。その中に、メンズトレーニングカップ(フィニッシュトレーニング)があります。
刺激強度の異なる5種類のカップで、膣内に近い環境での射精をトレーニングしていくという仕組みになっています。
いろんな克服方法を挙げましたが、いずれも直ぐに効果が現れるものではありません、地道に、時間をかけて、数年、もしくは数十年掛かるかもしれませんが、自分のイキ癖を直していきましょう。
加齢に伴う膣内射精障害は如何ともしがたいものですが、それを逆手にとって、夫が妻の全身を舌で愛撫して、未知の性感帯を開発したという事例もあります。
セックスでは必ずしも射精をする必要はありません。パートナーと話し合って、理解してもらい、射精のないセックスで楽しめるように工夫しましょう。
次回は、男性の性欲、支配欲、独占欲、嫉妬などについて、書いてみたいと思います。