エンドルフィン

  • 2020-6-16
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エンドルフィン

エンドルフィンは、脳内で機能する神経伝達物質のひとつです。モルヒネ同様の作用を示します。特に、脳内の報酬系に多く分布し、内在性鎮痛系に関わり、また多幸感をもたらします。そのため、脳内モルヒネとも脳内麻薬とも呼ばれています。

マラソンなどで長時間走り続けると気分が高揚してくる作用であるランナーズ・ハイは、エンドルフィンの分泌によるものです。また、エンドルフィンは、食欲、睡眠欲、生存欲、本能などが満足すると分泌されます。

モルヒネと同じ作用を起こすことから、体内性モルヒネ、つまりエンドジーナス・モルフィンの略称で、エンドルフィンと命名されました。エンドルフィンには、α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)の三種類があります。

エンドルフィンには、ランナーズ・ハイを起こす一方で、気持ちを落ち着けさせるなどの作用もあります。

特にベータエンドルフィンは、鎮痛・鎮静効果が高く、鎮痛薬であるモルヒネの6.5倍と言われています。

体内で生成される物質はどれもそうですが、エンドルフィンも単体で現れるものではなく、一連の体内プロセスのなかで分泌されます。

例えば、ケガなどで肉体にストレスがかかると、脳の視床下部から副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンという物質が分泌されます。

これが下垂体前葉に作用し、プロオピオメラノコルチンという物質が分泌されます。この物質が肉体的なストレスにより分子が切り離されて、エンドルフィンが生成されます。

切り出されたエンドルフィンが受容体と結合すると、痛覚が鈍くなります。傷が治らないうちに痛みが弱まるのはこのためで、モルヒネの鎮痛作用も同じメカニズムです。

モルヒネとエンドルフィンの組成はまったく違いますが、たまたま同じ受容体に結合します。

苦痛をやわらげる機能は、受傷時と同じように、運動による肉体的ストレスでもエンドルフィンが分泌され、機能します。

ランニングをしていて苦しい段階を超えるとふっと楽になり、さらには気持ち良くなる、という現象で、ランニングに限らず、ある程度の運動量を超えると起こり得ます。

どれだけの量の運動をすれば陶酔感を感じられるかは個人差がありますが、運動を続けるほど、分泌されるエンドルフィンの量が増えていきます。

最初はほんの少しの運動で音を上げてしまっても、訓練を続けると、しだいに運動量を増やしていけます。つまり同じ量の運動が辛くなくなっていきます。

これは、筋肉自体が増えるなどの要素もありますが、エンドルフィンによる効果も合わさっています。

エンドルフィンは、免疫系にも影響を与えます。

特にベータエンドルフィンは、免疫担当細胞であるT細胞を増殖させます。T細胞は、免疫系の主役ともいえるリンパ球で、外部から入ってきたウイルスなどに感染した細胞を破壊するなどの機能を持ちます。

エンドルフィンは、安心感や気持ち良い感覚を起こします。

動物実験では、モルヒネを投与された子犬は、母犬と引き離された際に泣くことが少ないという結果が出ています。無気力になったのではなく、親と引き離されたあとも以前と同じようにふるまっていたので、別離の苦痛がやわらげられたものとみられています。

ベータエンドルフィンは、快感をつかさどるドーパミンの抑制を解放します。

ドーパミンが出過ぎることを抑制する働きがある、天然アミノ酸のひとつであるGAVAを、ベータエンドルフィンが抑制する、という関係です。

つまり、ドーパミンの抑制を抑制するという働きがあるため、ベータエンドルフィンが出るとドーパミンが出る、と言うことになります。

エンドルフィンが多く放出されている状態では、神経が研ぎ澄まされ、集中力・注意力が高い状態であり、脳が活性化されているためアイデアも生まれやすくなります。

また、死を察知した脳は、ベータエンドルフィンを大量に分泌し、死の恐怖から解放し、気持ち良い状態にすると言われています。これは自然死、他殺、自死を問わず共通です。

大量のベータエンドルフィンなどの脳内快楽物質によって、人は、快楽を感じながら、安らぎのうちに死んで行きます。事故などで即死した場合を除き、周囲からはどんなに苦しかっただろうと思われる場合でも、死に顔は穏やかな表情です。

エンドルフィンは、基本的に気持ちが良いと感じることをすれば分泌されるようになっています。例えば、美味しいものを食べる、運動をする、セックスをする、楽しい事を想像する、などです。たくさんのエンドルフィンを浴びて、楽しい人生を送りましょう。

次回は、脳を活性化させるアドレナリンについて、詳しく書いてみたいと思います。

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セラピスト兼カウンセラーのstar です。

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