精子提供は不貞行為か

  • 2022-3-15
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A男は精神科医で、民間の精子提供サイトに登録していました。同サイトは、精子提供者は東大卒の者か、あるいは難関国立大医学部卒の医師のみであると記載されており、精子の提供は無償であること、性感染症予防の観点から精子の提供においてタイミング法(セックス)は行わないこと、などが記載されていました。

B子は専業主婦で、なかなか子宝に恵まれませんでした。病院の検査で、夫の精子では自然妊娠は困難である旨の診断を受けたので、精子提供サイトに頼ることにし、精子提供サイトの運営者の仲介で、A男と面談することになりました。

A男は、面談の際、本当はタイミング法が最も成功率が高いことを説明しました。面談を終えて帰宅したB子は悩みました。性行為をすることは、夫のC雄に気兼ねをしてしまうからです。しかし、確実に子を授かりたいという気持ちも強くありました。

何度かメールのやりとりをしたのち、B子は、確率の高い方法である性行為により精子提供を受けることにしました。もちろん、タイミング法を用いることは夫のC雄には内緒。注射器に入った精子を受け取り、それを注入する、と伝えました。

A男とB子は、排卵のタイミングを見計らって都内のビジネスホテルで待ち合わせをし、タイミング法として性行為を行いました。平成20年の1月、2月、3月にチャレンジしたところ、同年4月に妊娠が発覚、同年晩秋に第一子を出産しました。

A男の妻D美は、夫が精子提供サイトに登録していることは知っていました。注射器内に入れたものをサイト運営者を通じて提供するのみであり、相手とは会うことすらない、との説明を受けており、また、精神科医として患者に寄り添うとともに、家の中では子煩悩のパパだったこともあり、全面的に信じていました。

B子は、第一子を出産した3か月後、第二子が欲しいので再び精子提供をして欲しいとA男に連絡をし、再び会い、性行為を重ねるようになりました。第一子が1歳になった頃、B子は、再び妊娠し、翌年の夏、第二子を出産しました。第二子の出産についても、C雄には、注射器で精子を注入したと説明しました。

しかし、第一子のときと異なり、C雄は、B子の様子が少しおかしいと気づきました。第一子を置いてまで体外受精のための面談に行くと言い張ったり、夜中まで携帯電話で誰かとメールのやりとりをしている様子もありました。ある日、B子が眠っている隙に携帯を盗み見て、A男と親密なやりとりをしていることを、知るに及んだのです。

事態は訴訟へと発展します。まず仕掛けたのは、C雄でした。A男を被告として、不貞行為に基づく損害賠償請求訴訟を提起しました。A男は、C雄に対して解決金を支払う旨を了承し、この訴訟は、和解で終局しました。

ところが、その訴訟活動に際してA男が頻繁に弁護士とやり取りをしていることを知ったD美は、A男が、精子提供に際してトラブルに巻き込まれたのではないかと気づきます。A男を問い詰めたところ、あっさり、B子と性行為に及んでいたこと、そのことが原因でB子の夫から訴えられたことを告白しました。

D美は、A男がC雄に対して支払った解決金と同額の支払を求めるため、B子を被告とする訴訟を提起したのです。

訴訟でB子は、自分がA男と行った性行為は、あくまで生殖目的の医療行為であるから、違法性がない、しかもD美はA男が性行為による精子提供を行っていることを容認していたから、B子の違法性ないし責任は大幅に軽減される、と主張。

裁判所は、医療行為かについて、「A男は生殖医療の専門家ではなく、医師として生殖医療に携わった経験もないこと、本件サイトは医師法等の規律に関係しない私的なものにすぎず、精子の注入や性行為は、いずれも医療施設ではないホテルで行われたことなどによれば、一連の行為が医療行為又はこれに準ずるものと認める余地はない」と判断。

また、A男とB子のメールのやり取りによれば、「被告とA男は、互いに好意を持って性行為をしていたというべきであり、被告は性行為に積極的であったA男の求めに応じたにすぎないなどと認めることはできない」と判断。

A男の精子提供についての原告であるD美の認識については、A男がB子に送ったメールについて、「自分の家族に迷惑がかかってはいけないので、性行為での提供は遠慮したい、出生後の子が直接面会に来るリスクがあり、そうなると家庭が崩壊する、被告の存在は妻には基本的にばれない、ばれなければ問題ないと思う、でも、妻にばれれば、妻は絶対に被告を許さない、と記述している」と言及。

結果、「原告D美は、一連の行為の当時、A男が精子提供の手段として性行為を選択する可能性を容認していたとは認められない。したがって、被告の主張は採用できず、被告の一連の行為は違法である」とされました。

精子提供を目的とする性行為であっても、配偶者に対する不法行為を構成することがあることが確認され、本件では、不貞行為によりD美が被った精神的苦痛を慰謝するために必要な金額は150万円であると認定されました。

次回は、不貞行為の定義、について書いてみたいと思います。

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セラピスト兼カウンセラーのstar です。

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