知り合いに緊縛師がいるので、緊縛について興味を持ち、願望や効果について、いろいろ聞いたことがあります。ちなみに、縛られ願望は、若い女性に多いそうです。
緊縛の美しさに魅せられて、自分もそうして欲しい、という思いでネットで探して、緊縛モデルに応募したという女子大生がいました。
縛られたい、見られたいが嵩じて、自分で緊縛会を企画して、知り合いに観客として来てもらっているという女性もいました。
縛られて、恥ずかしい格好を見られ、電マでイカされるのが好きだという女性もいました。
きっかけは、緊縛の書籍、映像、舞台などいろいろありますが、見た目の美しさと性的好奇心から、縛られたら気持ち良いかもしれない、きっと気持ち良いに違いない、という思いが嵩じて、縛られることを希望したそうです。
緊縛は、精神と身体を解放するひとつのツールだと言われています。身体の不自由が心を自由にし、解放された本当の自分を知ることができ、時には未経験の超絶的な快楽を味わうことができるそうです。
この観点から言えば、緊縛師は、相手を支配して悦びを得るだけではなく、縄を通して相手が全てをさらけ出してリラックスの境地へとたどり着くまでのサポーター、ということになります。
縛られたい人は、縛られたい、見られたい、虐められたい、という気持ちが強く、縄に身を委ねて陶酔し、羞恥心で濡れてきます。自由を封じられた状態で愛撫されると、異常な興奮と快感を感じることができるそうです。
かなりの女性が縛られたい願望を持っているそうです。縛られることで、日常生活、人間関係、プライド、絶望感など自分を抑圧するものから、少しの時間でも解放されたい。何かを満たしてくれる予感が、緊縛への興味になっているようです。
また、女性は無意識に、縛られることで自分の居場所を見つけたいようです。その居場所とは、精神的にも自分をサポートしてくれる人の存在であり、常にサポートされていると感じる精神的な居場所です。そして、縛られることで、本当の自分を閉じ込めている殻から、心の奥に抑圧された誰にも話せない本能の欲望が解放されていきます。
縄で縛られるのを好む女性は、知性も高く、頭の回転も速く、ストレスの多い職業や生活環境にあり、プライドが高く、我が儘な人が多いそうです。もちろん性的好奇心が強いことは言うまでもありません。
現実の世界で心の居場所のない女性が、縄で縛られることにより、精神的な安らぎを感じたり、落ち着いた気持ちになれ、自分の殻を壊して心が開放されると言われています。
縄で裸体を縛られ、恥ずかしい部分を弄られ辱めを受けている女性の心はどうなっているのでしょう。気になって聞いてみたら、その女性は、拘束されて体の自由を奪われているのに、なぜか心は解放されていく、と話してくれました。
縄で自由を束縛されているのに心が安らぐというのは矛盾するように思われますが、縛られた女性は、縄を解く時に、もう少し縄で縛られていたいと希望することが多いそうですから、彼女達が癒された状態でいるのではないかと推測できます。
身体的に拘束されたことで精神的にも拘束されていると感じ、これから始まる行為への不安や期待で興奮し、肌に触れる縄の感触や緊縛感で恍惚感を得るようです。
緊縛によって、非日常の異様な世界に入り込み、縄に酔った感覚になって、拘束されるという被虐の妄想から次第に興奮状態に陥り、そして快感を覚える。拘束感と開放感の2つの快感を感じているということです。
良い緊縛師に巡り会えて、淫らな姿態を曝け出し、叫ぶ程の絶頂や、自分の心の居場所を見つけ、気持ちが安らげるのは、M女性にとって至福だと思います。日常生活の憂いやコンプレックスから解放され、強い快感を味わうことで、心が満たされることは、人生の悦びであり、明日へ活力であろうと思います。
緊縛の効果の中で最も生活にとってメリットとなるものは、「心のリフレッシュ」であり「心のリセット」です。緊縛は、拘束や刺激を身体に与えながら、身体の解放とともに心も解放していきます。
人生においては、様々な嫌なことが起こってしまいます。人間関係が上手くいかないと心は傷つくし、人間関係を修復しようとすると心に大きな負担を与え、ストレスになります。そのストレスを解消するために、人はなんらかの行動をします。運動であったり、飲酒であったり、買い物であったり、レジャーであったり。
そのひとつの手段に緊縛があります。おそらく、セックスに相当するような、あるいはそれを超える絶大な効果があると思います。身体への様々な刺激、拘束状態で開放感や恍惚感を味わい、心も身体も全て飛んでしまって、何もかも忘れてしまう状態になるのでしょう。心をリセットすることで、人生は更に楽しくなっていくものと思います。
次回は、羞恥プレイについて、書いてみたいと思います。