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タントラでは、男性エネルギーと女性エネルギーが統一され一体となることで真理が得られるとされています。それを悟るための手段として、性交の儀式が行われています。
本来は、肉体的なセックスをしなくても、瞑想することでそれらを統一させることができるとされています。しかし、それでは難しいために、実際にセックスをすることによって入り口を見つけるという方法が採られました。したがって、タントラ経典の中には、多くのセックスの技法が書かれています。
タントラセックスにおける快感とは、肉体的な快感ではなく、精神的な快感です。パートナーと心を通わせることで、チャクラからエネルギーが放出され、それぞれの中にある男性性と女性性が混じり、そして気の交流が行われ、快感を感じることができます。
タントラセックスの最大の特徴は、スローなセックスです。最初から最後まで一切激しい動きはありません。魂で繋がることが重要なのです。お互いの性エネルギーを交流するイメージで呼吸を合わせながら、二人のチャクラが重なり合うことをイメージしながら、長くゆっくりと交わることで、女性は、自然と感度が上がり、深くイクことができます。
タントラセックスの具体的なやり方は、まず、リラックスできる環境を整えます。精神的にも肉体的にも開放させることが、第一歩となります。ゆっくりと湯船に浸かって疲れを取り、部屋は暗めにして、アロマやキャンドルで落ち着けるような雰囲気を出します。
お互いにあぐらを組んで見つめ合うことから始めます。お互いの呼吸を意識して合わせます。意識しなくても合うようになるまで、静かに呼吸を続けます。
呼吸をそろえることができたら、そっと体に触れます。触れるか触れないかのフェザータッチで腕や足などを撫でていきます。こうすることで、全身の感度を上げることができます。徐々にお互いに近づいていき、タントラキスをします。タントラキスとは、優しいキスのことであり、少し口を開いた状態で優しく触れるように唇を重ねるものです。ディープキスのような激しいものはしません。キスを交わしながら服を脱いでいきます。
キスが終われば、お互いの身体をマッサージします。うつ伏せの状態から始め、性器以外の部分をマッサージします。オイルを使ってもかまいません。うつ伏せで一通りマッサージが終われば、仰向けになって、性器以外の部分をマッサージします。最後に、性器のマッサージへと移ります。初めにエネルギーの出入り口であるチャクラを刺激することで、より深いオーガズムが感じられます。なお、タントラセックスでは肉体の繋がりを重要視していないため、心の繋がりに満足できたらこの時点で終了してもかまいません。
ゆっくりとした感覚のマッサージは、官能を探求する強力な方法です。また、複数回のオーガズムを得るための鍵にもなります。マッサージの受け手は横になって身を委ね、自分の快感に意識を合わせます。施術する側は、強さとリズムを変えたり、異なるストロークを使用したりして、受け手の体に沿ってゆっくりと瞑想的に手を移動させます。
もう一つの重要な点は、未知の性感スポットを見つけることです。全身をマッサージした後、普段は愛撫しないような未開発性感スポットを刺激してみましょう。耳、うなじ、鎖骨、腰骨、手や足の指と指の間、背骨、肩甲骨、尾てい骨、くるぶし、など。受け手が快感の呻き声をあげたら、優しく徐々に強弱をつけます。
タントラセックスは、意識してセックスをすることであり、オーガズムを得ることが目的ではありません。挿入を伴うとは限りません。最終的な目的は、相手に感謝し、繋がり、より緊密な絆を作ること、です。
挿入を希望する場合は、対面座位で合体します。男性があぐらを組んで座り、女性が男性に跨がって腰を下ろします。この体位は、シヴァ（男神）とシャクティ（女神）、つまり男性性と女性性の力の融合の象徴です。女性は両脚で男性のウエストをしっかりホールドし、両足の裏をくっつけ、腕で男性の体をしっかり抱きます。そうすることで、二人のチャクラが合わさってエネルギーが循環し易くなり、絆をより深く感じることができます。そして、全身のエネルギーの合一（オーガズム）を体験することができます。
まず二人で深くゆっくりと呼吸を合わせます。そして、ゆっくりとした動きで、円を描くように、心地良いと感じられるリズムを見つけ、一緒に動き始めます。お互いの呼吸を合わせることで、より高い快楽の状態へと変容することができます。骨盤から背骨、そして頭へと深い呼吸をしながら、オーガズムのエネルギーを引き出します。
タントラセックスでは、女性はオーガズムを我慢する必要はありません。何度もイクことができるので、押し寄せる快感の波に身を任せましょう。男性は射精をギリギリまで我慢することが求められます。我慢することで男性の体内にエネルギーが溜まっていき、活性化すると考えられています。絶頂直前は、最も二人の繋がりが深まる時です。心も体も繋がり、二人の愛がさらに深まっていることを感じながら、幸せな時間を過ごします。
絶頂に達するとき、人は思い思いに声を出します。あまりの快感に考えることができなくなるからです。絶頂を迎える時には、母音で声を大きく、息を長く吐き出すことが推奨されています。こうすることで、二人の心の繋がりが更に強まると考えられているからです。女性は、オーガズムに近づいたら呼吸を遅くします。腹の力を抜いて、ゆっくりと腹で深呼吸をすると、オーガズムはより長く続き、より強烈になります。
次回は、ポリネシアン・セックスについて、書いてみたいと思います。
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